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オゥシーレスキュープロジェクト
里親制度の体験者のいろんなケースを紹介していきます。
決して「誰かれなしに里親になってください」というのではありません。
「命を預かる責任の重さ」を感じていただけたらと願い
また「里親を待っている存在が少なくなれば」のレスキューの一環として
シビアなケースも、たくさんアップしていきたいと思っています。
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テキーラちゃんのケース 平成17年 初春 
私が彼女・テキーラと出会ったのは、もう3年前(2001年)のことです。
トリマーの先生の紹介で、ある繁殖場にシャンプーのバイトに行った先にいたのがテキーラです。
当時、彼女は5歳でした。
それまでオゥシーという犬は見たことがなく、彼女はそこにいるオゥシーの中でも特にワイルドで私好みの容姿でした。
バイトを始めてすぐ、いつかきっと彼女の子供を飼いたいと思うようになり、
『何年後になるかわからないけれど、レッドマールの女の子が生まれたら売ってください』とオーナーに頼んでいました。
彼女はそれから3年の間に2回出産しましたが、レッドマールの女の子が生まれることはなく
私も犬を飼うのに環境が整っていなかったため、夢は叶わずにいました。
結局犬を飼う環境が整った時点でレッドマールの仔犬を探しましたが手に入れることはできませんでした。
そんな時、私がオーナーにフトもらした言葉がきっかけで彼女は我が家の家族になりました。
『あの子を売って欲しいっていったらいくらですか？』
そう聞いた私に、『そんなに気に入ってるんならあげるよ』と言われ、
もらうかどうか悩みに悩みましたが、家族に迎えることを決心しました。
あげるといわれて悩む原因は、
大きさも、毛色も目の色も私好みで『こんなに気に入ったオゥシーには二度とめぐり合えないかも！』と思いつつ
やはり犬を飼うなら仔犬から・・・という気もあったこと。
また、年齢が既に８歳だったこと、性格がとてもシャイだったことがあります。
犬同士の付き合いは良いのですが、いつも餌をくれ、掃除をしてくれ、運動場に出してくれる人にもなつかず
私にいたっては、事あるごとに会いに行くのですが、触ろうとするとあからさまにのけぞって嫌がりました。
うちに迎えることや、干渉されることが彼女のストレスにならないか、とても心配でした。
それからしばらく悩んだ結果、オーナーに『ください』とお願いしました。
中途半端にいろんな人がうろうろしている繁殖場より、我が家でうちの家族と一緒に『家族』になろうと決心しました。
毎日一緒にいればきっと心を開いてくれる、時間をかけてゆっくり付き合っていこうと思いました。
年齢のことも気になりましたが、今８歳でも１８歳まで生きれば１０年一緒にいられるわけだし、
やっぱり彼女との出会いは、「ビビッ！」と来るものがあったので決心しました。
とうとう彼女を我が家に迎え入れ新しい生活が始まりました。
室内用のトイレも買ってきて、階段にも柵を設置しました。
シャイだからと気をつかっていましたが、迎え入れた当日からイビキをかいて寝る有様。
繁殖出身だし、一般家庭での飼育には苦労するかと思いましたが、
２〜３日で、ベランダから部屋に入れたときにハウスというと、自分でサークルに入ってくれるようになりました。
先住犬との仲を心配していましたが、すぐに打ち解け、よく遊ぶようになりました。
ですが、彼女のシャイさゆえ、仲間に入れてもらえない私・・・・・。
でも彼女の弱点は食べ物にありました。
どんなに寄ってこないときも、食べ物を見せると寄ってきます。（でも、食べ終わるとさっさと退散していきます）
彼女は、人馴れはしていませんが結構おりこうさんで、
ベランダの戸を開けてやると自分で出て行ってトイレを済ませて帰ってきて自分でサークルに入ります。
どこででもしてしまうかと心配していましたが、きれい好きな性格ゆえ、外に出るまで我慢してくれていました。
我が家に来て時間がたつと共に、がっちりした体形になってきました。
筋肉質ではないですが、重量感出てきて、すれて短かった毛も伸びてきました。
我が家の生活にだいぶ慣れてきた頃、繁殖場のオーナーにみせたところ
『こんなに触らせてくれるようになったのか！』って驚かれるほど家族に心を許すようになって来ました。
うちに来たときよりだいぶ人にも慣れ、リードを持つと散歩だとわかってソワソワするようになり
私の目をじっと見るようになりました。
我が家に迎えてから既にに半年が経ちました。
彼女も若返ってきたように感じます。
顔がやさしくなったように思います。
まだ知らない人には警戒し固まってしまいますが、家族にはすっかり心を許してくれているように思います。
さすがに元々の性格から、大喜びで駆け寄ってくるなんてことはありえませんが
繁殖場で人から逃げ回っていた犬とは思えないぐらい人馴れしました。
彼女は、きっと今幸せだと思います！
後になってわかったことですが、
血統書をいただいて、はじめてテキーラが８歳ではなく１０歳であることがわかりました。
普段からそそっかしいオーナー。生年月日の年数からの今年までを計算し間違えていたそうです。
それを知ったときは正直唖然としましたが、今の私には年齢なんて何も関係ありません。
仔犬からの飼育には成犬からの飼育にはない良さがあるかもしれませんが、
成犬から家族になっても、必ず家族の絆は生まれます。
彼女はそれを証明してくれたと私は思います。
潤田 由輝子
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